『やはり私の力ではダメですか』
シルビーが私達の頭上近くで残念そうにポツリと呟いているのが聞えてくる。
その間にも闇黒竜がまた、私たちへと向かって来るのが視界に入り、ゴクンと唾を飲み込んだ。
シルビーが手を前へと出し、魔力を込める。
私も…と魔力を込めようとした時…、目で制された。
『アイリーン様、お逃げ下さい』
「で、でも…」
『いいですから早くッ!』
シルビーの切羽詰ったその声に翻した私はダイの手を取りかけ出す。
「ガァァァァァ…」
『こっのぉぉぉー』
大きな風圧と共に闇黒竜とシルビーがぶつかり合うのが分かった。
けれど…
私は後ろを振り返る事なく駆けていく。
「逃げるか、シーリア」
「ッ!」
ガイルの声に身体が反応し一瞬足が止まった。
…けどすぐに足を動かそうとしたけれど…、動かない。
しまった---
ガイルの魔法で足止めされてしまったのだ。



