「どうした?…ケガでもしたのか?」 「………ッ」 伸びてきた目の前のその人の大きな手が、私の頬へと触れた。 瞬間--- ビリリッ…と、痺れがはしる。 そして頭の中に映像が浮かんだ… 初めて目にするその光景。 青い…、 青い空--- そしてその大空を、黒いものがゆうゆうと泳ぐように飛んでいる。 その存在に私は、懐かしい…と感じ胸が締め付けられた。 切ないような…、それでいてどこか心地よく感じるその映像に『還りたい…』とさえ思ったのはどうして? これは…、何?