アイドル様の秘密【上】



だけど千香さんは私に優しかった。


その優しさが逆に私を傷つけていた。



ある日を境に千香さんは私に触れなくなって、会話もしなくなっていった。


「灰夜。」


私がそう呼ぶ度に千香さんは灰夜に近づく。


そして、私の前で「好き。」そういう。




そのとき、初めて千香さんが汚い女性だと思った。



それから私は中学校にあがり、一人前として仕事をしていた。