言おうと思って呼び出した。 なのに心は否定する。 「大丈夫だよ。」 そう言って笑う優翔。 「あのね…私…私ね…。」 言う……言おう。 口を動かす。だけど心が痛い。 「本当は…六条寺組の娘なんだ…っ…」 言えた…。心の中にあったモヤモヤが薄らと消えていくのが分かる…。 だけど…龍国君の顔が見れない。 今…どんな顔してるの…? 怖い…かな…?それとも… 〝カツン…カツン…〝 足音が飛沙の横を通る。