アイドル様の秘密【上】

「ねぇ、元。」

「はい。なんすかお嬢」

「さっき〝秘密の多いアイドル〝って言った?」

「? はい。」

元都はそういった。

「知ってるの?」

「いや、俺の妹がファンなんすよね。」

「元、妹いたの?」

「そうなのか?元都。」

「? はい。いますよ。アイドルの陰里 煉華。」

「えっ…?」

飛沙はキョトンとした。

「ですから、陰里 煉華が妹なんすよ。」

「嘘ついてる…?」

「お嬢は人の嘘を見抜いちゃうじゃないっすか。

そんなお嬢に嘘付けるわけないですよ。」

「だ、だよね…」

「飛沙さん、もしかしたら…」

神塚は耳打ちで言った。

「そうだね。元、妹さん呼んでもらえないかな?」

「いいっすよ。ただ…今すぐ来れるかはわかんないっす…」

「それでもいいよ。」

「じゃ、少し電話してきますんで…」

元都はそういい数秒出て行った。

「いいそうっす。今すぐ来れるそうです。」