アイドル様の秘密【上】


そう思いながら私は灰夜の後ろに付いて廊下を歩いていく。


「どうぞ。こちらのお部屋でございます。」


中年の男性はそう言うとさっさと去っていった。


〝コンコン〝


灰夜はノックをして薄く笑った。


(?なに…?)


「あぁ…灰夜様。お待ちしておりました。どうぞ中へ…」


扉が開き黒いスーツに身を包んだ人が灰夜と私を中に招いた。


「……えっ……」


部屋に入った私は言葉を失った。