そう思いながら私は灰夜の後ろに付いて廊下を歩いていく。 「どうぞ。こちらのお部屋でございます。」 中年の男性はそう言うとさっさと去っていった。 〝コンコン〝 灰夜はノックをして薄く笑った。 (?なに…?) 「あぁ…灰夜様。お待ちしておりました。どうぞ中へ…」 扉が開き黒いスーツに身を包んだ人が灰夜と私を中に招いた。 「……えっ……」 部屋に入った私は言葉を失った。