アイドル様の秘密【上】


「いやぁ~お待ちしておりました六条寺組若頭、六条寺 灰夜さん。」


そう言って入口で待っていた中年の男性が頭を下げた。


「頭は奥の部屋です。ご案内いたします。」


男性はそう言って私を見つめた。


「なにか?」


「そちらの方はご一緒でよろしいんですか?」


「あぁ。これは僕の妹で幹部の中でも優秀なんだ。なにか一緒でも都合が悪い……とか?」


灰夜がそう言うと男性は大きく首を振って言った。


「まさか!!!全然いいですよ。いやぁ~灰夜さんに妹君がおありとは初めて知りました。」


(なんだろ……この人すごい灰夜の機嫌を取ってる気がする…)