アイドル様の秘密【上】

「はぁ…折角見逃してあげたのに…」

飛沙がそう言っているとナイフは飛沙の右肩に降った。

〝ザクッ〝

「チッ…」

飛沙は舌打ちをした。

(油断した…蝶大丈夫かな…)

「お嬢!!」

「飛沙さん!!」

神塚と元都が駆け寄ってくる。

「てめぇ…」

元都が飛沙の肩を抱きながら睨む。

「み、右肩の…蝶…」

「刺したてめぇがなに怯えてんだよ。

俺らの姫、汚した代償は高くつくぞ?」

静かに冷たく神塚が言った。

「よかった…。蝶を傷つけなくて…。

私の反射神経の鈍さでごめんね…」

飛沙はそう蝶を撫でて言った。

「神塚…行くよ。」

そういい飛沙は歩き出した。

「えっ!?ひ、飛沙さん?」

元都が驚きながら飛沙を追いかける。

「なに?」

「いいんすか?」

「いんだよ元都。

飛沙さんがいいって言ってんだからよ。」

神塚が元都に向かっていう。