アイドル様の秘密【上】

「俺は単なる通りすがりの男。」

「んじゃどけ。

俺ぁそこの餓鬼に用事があんだよ。」

男はそういい飛沙に手を伸ばす。

「それは…聞けねぇ用事だなぁ?」

その瞬間

〝ゴキャッ〝

男の腕が曲がってはいけない方向に曲がった。

「ぎゃぁ!!う、腕がぁ…」

男はそう言い尻餅をつく。

「てめぇら…な、何者なんだよ…」

「が、我戸さん…こ、こいつら…ろ、六条寺組っす!!」

「なっ!!んな所にいるわきゃねぇだろ!!」

「でも!!!六条寺組の幹部、榎戸 神塚と新妻 元都っすよ!!!

間違い無いっす!!」

「ゴチャゴチャうるせぇな…おい?」

元都はそういい前に進む。

「元、やめなさい。」

「おじょ…飛沙さんでも…」

「私たちは暴走族じゃないの。

向かわれたら叩いてもいいけど自ら行くのは掟破り。

でしょ?神塚。」

「はい。そうです。

おら、元都行くぞ。」

「神塚さぁん…」

神塚は元都を摘んで前を歩いた。

「んのやろぉ!!!」

突然後ろから振り上げられた手にはナイフがあった。

そのナイフの先は……

「飛沙さん!!!」

「お嬢!!!」