「あー!山村ー、蓮!遅いぞ!」


砂浜に着くと待ち焦がれていた神崎が、あたし達を見るなり大きな声で叫んだ。


「拓也うるさい。買って来てあげたんだから感謝しろよ。」


白木が言うと神崎は笑って「まぁまぁ、怒るなって!感謝してるから!」と言っていた。本当に白木と神崎を見ていると自然と笑みが零れちゃうよ。


「紗奈ちゃん、あたしの分まで買って来てくれてありがとう!」


白木が渡したお菓子を受け取って梓ちゃんがニコリと笑ってお礼を言った。


「ううん、気にしないで!」


そして、あたし達は買って来たお菓子を食べて花火の用意をした。

白木と神崎が神崎のお父さんの車から花火を持って来て、あたしと梓ちゃんは神崎のお父さんから海の家にあったバケツを借りた。


「よしっ!花火するぞー!」


神崎の声と共に花火に火をつけた。

キラキラと赤になったり、緑になったりする花火が綺麗でつい見とれてしまう。
4人でするから、余計に綺麗に見えちゃうのかな。


「おぉー!見て見て、蓮!」


「何してんだよ。危ねぇって!」


神崎と白木の会話が聞こえて見てみると神埼が花火を両手に持ち振り回していた。
それを見て白木が注意をする。


「紗奈ちゃん、白木くんと神崎くん親子みたいだね!」


梓ちゃんがクスクスと小さく笑って言ってきた。


「そうだね!あの2人を見てると、面白いよね。」