き み だ け




遅いなぁ、光弘。

もう時間は7時40分。

携帯に連絡をしても返信がない。

もうすぐ花火が始まるせいで

人もだんだん増えてきた。

「あれ、叶愛?」

「知夏、修二くん」

「どうしたんだよ」

「光弘と待ち合わせしてるの」

「こんな時間に?」

「塾のテストが6時に終わるから

7時にって約束してたんだけど

連絡もつかなくて。」

「おかしいな、さっき光と同じ

塾のやつと会ったんだけど」

どうしたんだろう。

何かあったのかな。

「私たちと一緒にまわらない?」

「そうだよ、いつまでも待ってるより

一緒にまわろうぜ?」

「いいよ、待ってる。2人で

まわってきて」

2人は目を合わせて悲しそうな

顔をしていたけど

心配してくれるだけでよかった。

もうしばらく待ってみよう。



もう気づけば8時だった。

花火のアナウンスが流れて

奥へ流れていく人が大勢に

なってきた。

「…もう帰ろうかな」

あたしは1人神社を出た。