き み だ け




―約20分後

「失礼します」

何が10分なんだよ。

もう6時半になっちまう。

家に帰ってる暇はないな。

急がないと。

「あれ、光」

「あ、美華子」

靴箱のところで美華子に会った。

「どうしたの?テストは

もうとっくに終わってたでしょ」

「あぁ、面談」

「なるほどね」

「じゃあ俺急いでるからまたな」

「待って」

美華子が俺の腕をつかんだ。

「どうした」

「急いでる理由って叶愛?」

「あぁ。神社の祭りの約束を

してるんだ。」

「…行かないで」

「なんでだよ。悪いけど

本当に急いでるんだ。」

俺は美華子の手を俺の腕から

離そうとした。

「私ずっと光のことが好きだったの」

目に涙をためて俺の目を見て

強く言い放ったその言葉は

いつもの美華子が言った言葉では

無かった気がした。