「どうして?」

「叶愛の携帯に電話したら弟が

でて叶愛が傘さして帰ってきたのに

ずぶ濡れで何があったかわからないから

とりあえず話だけでも聞いてあげて

くれって言うからびっくりして」

知夏は息切れしながら真剣に

あたしを心配してくれていた。

あたしは知夏が落ち着いた後

全てを話した。

知夏は一緒になって考えてくれて

ずっと1人で抱えていたことだったから

とても気が楽になった。

「光弘くんのこと好きなのは

今でも変わらないんでしょ?

ならここでひいちゃダメ。

今光弘くんの彼女は叶愛、

あんたなんだよ?」

あたしの肩を強く掴んで

しっかりあたしの目を見て

言ってくれた。

あたしは1人じゃなかった…。

「うん」

知夏の存在があたしを

1人じゃないと思わせてくれる。

それだけで涙が止まらなかった。

「1人でかかえこまないの。

私がいるじゃない。もっと頼ってよ」

そういってあたしを

優しく抱きしめてくれた。