き み だ け




「じゃあここで」

「あ、送っていこーか?」

「大丈夫だよ」

「じゃあ俺らこっちだから。また明日」

「うん、また明日ね」

光弘と美華が一緒に帰る後ろ姿を

みながらあたしは1人寂しく

家に帰っていった。



「ただいま」

「あ!おい、叶愛」

すごい勢いで怒った航太がやってきた。

「なに?朝プリン残ってたから

食べたけど航太のやつだったの?」

「は、お前食べたのかよ!」

「ごめんって。また買ってくるから」

「違うよ、これだよ。」

昨日ゴミ箱に捨てたはずの

陽平からの手紙を航太がなぜか

もっていた。

「なにしてんのよ、人のゴミ箱

あさったわけ?最低!」

「最低はどっちだよ。

明日ゴミの日だから部屋のゴミ箱の

ゴミ捨てといてやろうと思って

部屋入ったらゴミ箱に堂々とこのまま

捨ててあったから拾った。

陽くんからの手紙そのまま捨てるとか

最低だな。」

あたしに手紙を投げつけて航太は

リビングにいった。

「あんたに何がわかるって言うのよ」

「叶愛こそ陽くんの気持ち何も

わかってねーじゃねぇかよ。」

「なによそれ」

「こんなに一途に離れてても

叶愛のことを想ってくれてる。

まだわかんねーのかよ」

航太に言われなくたって

ちゃんとわかってる。