き み だ け




そのあと2人で幸せの館の中を

見てまわり知夏と修二くんと合流した。

「俺たちやり直すことにした」

「え!まじ!おめでと」

「よかったね、2人とも。

私たちまで嬉しいよ!」

この2人のこんな喜んだ顔も

久しぶりに見た。

みんなが幸せになれるんだ。

こんな幸せなことないね。



遠足も終わり光弘に送ってもらって

家に帰った。

「ただいま」

「あ、叶愛ポストになんか入ってたぞ」

そう言って航太に渡された

白い手紙。

誰から来たのかわからない。

部屋に戻ってあけてみた。

”叶へ”

字をみてすぐにわかった。

陽平からだ。

”今年の秋に帰れることになった。

俺のことなんて待ってないかも

しれねーけど俺は叶に会いたい。

帰れる日が決まったらまた

連絡する。頑張れよ。 陽平”

あと半年もしないうちに

帰ってくるの?1年も早まったんだね。

でも、もうあたしには

関係ないよ。会う気もない。

もう今度こそこの幸せを

失いたくないの。

あたしは手紙をゴミ箱に捨てた。