き み だ け




―光弘side-

「美華子」

「…なに」

「なんで1人で行くんだよ」

「別にいいじゃない」

「さっきの占いがそんなに

嫌だったのかよ」

「…そうじゃない」

「じゃあなんだよ。3人で

まわればいいじゃねーかよ」

「じゃあもし占いが当たってるって

言ったら光はどう思う?」

「へ?」

美華子が振り向いて悲しそうな

顔をして俺を見た。

「もし私がずっと中学の頃から

光のことが好きで本当は陽平とも

別れたけど叶愛には嘘ついてるって

言ったらどーする?」

「なんだよそれ」

美華子の言ってることが

全然たとえ話に聞こえてこなかった。

「光は叶愛のことが好き?」

「あぁ。好きだよ」

「叶愛も悩んで光を選ぶことに

したんだと思うよ。じゃあ私行くね。

さっきのはたとえ話だから忘れてね」

そう言って手を振って

美華子は1人で行ってしまった。

ー光弘side endー