き み だ け




「そこの人たち占いやっていかないか」

占い師のおじさんに声を

かけられた。

「じゃあ私やろうかな」

美華がカード占いをしてもらっていた。

「お姉ちゃん、すごい無理してるね」

「へ?どういうことですか?」

「心の中にはずーっと何かが

ひっかかってるみたいだ。

何年も前からずっと好きな人が

いるけど想いを伝えられてないとか

何かを謝りたいけど言えずにいるとか

そーゆー心の曇りみたいなのが

みえるね」

…それって。

「そんなわけありませんから」

美華はその場をたって

1人で奥にいってしまった。

「お兄ちゃんもやってくかい?」

「いや、俺はいいです。

叶愛やってもらえば?俺ちょっと

美華子探してくるわ」

そーいって光弘は美華を探しに

奥へいった。

「じゃあ、お願いします」

あたしは占いなんてしてもらう気は

なかったけど1人になってしまったし

とりあえず暇つぶしに

占いをしてもらった。

「あぁー、お姉ちゃんは

少し前に大きな決断をしたみたいだね。

それを正しいと思ってるなら

今すぐやめるべきだね。

心の中では本当は反対が正しいと

思ってるのがあらわれてるよ」

…それは光弘じゃなくて

陽平を選ぶのが正しいって心の中では

思ってるってこと?

そんなこと思ってるわけない。

当たってないよこんな占い。

「数ヶ月後に思いもよらない出来事が

起こるはずだ。心の中の本当の

気持ちと向き合うべきだ」

「…ありがとうございました」

思いもよらない出来事って

一体なに?

心の中の本当の気持ちって何?

あたしは光弘を選ぶ。

それ以外に選択肢なんてあるわけない。