あたしは部屋に戻った。

ブーブーブー

“着信 知夏”

「もしもし」

『あ、叶愛?今どこ?』

「家」

『今から行っていい?

修二と会う予定だったんだけど

急用で会えなくなってさ』

「いいよー。あたしも用事

なくなったし」

『じゃあ今から行く』

陽平に会うのはやめよう。

初めから答えなんて1つしか

無かったんだ。

ブーブーブー

「なに、知夏」

『叶』

知夏じゃなくて陽平だった。

『2時過ぎにはここをでる』

「…それで」

『俺にはチャンスないってこと』

「チャンスってなに。」

『俺はちゃんと』

「もう無理しなくていいよ」

『俺はちゃんと美華子とも

別れたし本気だ』

「嘘つかないで。

さっき美華に会ったの。

別れる気はないって言ってたよ。」

『叶は美華子を信じるのかよ』

「じゃあね」

陽平が正しくても美華が正しくても

あたしには関係ない。