「あ、どうぞ」
なぜか少し緊張する。
「散らかってるけど適当に座って。
お茶でも入れるね」
「あ、ごめんね。気を使わせて。
ありがとう」
どうして急に家に来たんだろう。
あたしの家、誰に聞いたのかな。
「ごめんね、突然おしかけて」
「あ、全然。でもよくわかったね、
あたしの家」
「光に聞いたの」
「そーだったんだ。
で、あたしに何か用?」
「陽平が帰ってきてるのは知ってるよね」
「あー、うん。今日またボストンに
戻るみたいだけど」
「私昨日会って話したの」
やっぱりこの話か…
「陽平に別れてほしいって言われた」
「…そーなんだ」
「どうしてかわかる?」
美華の顔つきが変わったのが
わかった。
「…」
「叶愛は陽平が好きなの?」
「…それは。まだなんとも言えない」
「光のことは?」
「…それも」
「それってずるくない?
叶愛はいいよね、2人の人に愛されて。
自由に選び放題じゃない」
「…そんな」
