「どういうこと」
「陽くんのこと本当は
まだ好きなんじゃねーの?」
「なにそれ」
「いつでも叶愛のこと
心配してくれてピンチの時は
いつでも1番にかけつけてくれる。
あんないい人いねーじゃん」
そんなこと言われなくても
わかってる。あたしは陽平がいなきゃ
だめだしいつでも1番頼りにしてる。
でも…
「陽平には彼女がいるんだよ?」
「だから?」
航太が真剣な目つきであたしを
みてくる。
「叶愛ってさ、いつでも付き合うとか
付き合わないとかに
こだわりすぎなんだよ」
「どーゆーこと?」
「別に付き合わないとだめな
わけじゃねーじゃん。
中学の頃、3年になって陽くんと
付き合うまでもずーっと叶愛は
陽くんと一緒にいたけどさ、
それって楽しくなかったわけ?」
「…そんなことないよ。」
「俺はそんな叶愛みてて
中学生ってこんな楽しいもんなんだな
ってすげー思ってた。
毎日家帰ってきては陽くんの話して
本当毎日楽しそうだった。
なのに何だよ。陽くんと別れて
高校生なって毎日全然
楽しそうじゃねーじゃん」
…確かにそうかもしれない。
中学の頃は毎日何してても楽しくて
家に帰ってもずーっと話してた。
4人組でいつも一緒だったけど
それでも特に陽平とはずっと
一緒にいてなんでも話せる最高の友達で
世界で1番好きな人だった。
そんな存在が側からいなくなるって
こーゆーことなんだって
高校生になって思い知った。
毎日特に何かあるわけじゃなくて
ただただ毎日を過ごしてた。
