き み だ け



「食べさしてやろうか?」

からかったような笑みで

お粥をすくったれんげを

口元に運んできた。

「自分でできるよ」

「ほら、こぼれるから」

口にれんげを突っ込んで

頭をポンポンとたたいて

立ち上がった。

「ちゃんと食べとけよ」

そのまま部屋を出て行った。

陽平の優しさに

きゅんってしたり甘えたくなるのは

やっぱりずるいよね。

昔から変わらない態度で

一緒にいてくれる陽平。

またすぐボストンに

戻っちゃうんだよね。

頼ってちゃだめだよね。

「食べれた?航太とおばさん

迎えに来てるけど」

「あ、うん。ごちそうさま」



「叶愛、大丈夫かよ」

「ごめん、心配かけて」

航太がほっとした顔をした。

「本当にごめんね、陽くん。

本当にありがとう」

「あぁ、全然。

お大事にしてください」

陽平はあたしたちの車が

見えなくなるまで見送ってくれていた。