「光から聞くべきだと思う」
「どうして?」
「俺の話聞いてくれる?」
修二くんが笑顔で話を変えた。
光弘と美華の間には
何かあったんだ。
「なに?」
「俺ね、知夏とは運命だって思ってんの」
「なにそれ」
冗談じみた言い方で
にやにや話す修二くん。
「俺と光は中学の頃
バスケ部だったんだけど
よく練習試合する相手の高校が
知夏の学校だったんだ。
でね、知夏は吹奏楽部だったんだけど
いつも冷水器にいくとどこからか
トランペットの音が聴こえてくんの。
すげーきれいだなって思ってて
昼休憩のときに教室いろいろ
探し回ってたら音が止まっちゃってさ。
校舎内で迷っちゃって
体育館までの道がわかんなくなってさ
困ってたら声かけてくれたのが
知夏だったんだ。」
修二くんは中学のころから
知夏に恋してたってことかな?
なんか素敵だな。
「でさ、いつも冷水器のところで聴いて
くれてた人ですか?って言われてさ。
俺が探してたのはこの人
だったんだなって思った。
で、高校入って
同じクラスで1番に目についた。
まさかとは思ったけど絶対そうだって
確信してさ、声かけたかったけど
なかなか勇気でなくて。
そしたら光が叶と友達に
なったからまじでうれしかったんだ」
