「なに」
『叶と付き合ってんだってな』
「聞いたのかよ」
『よかった。幸せそうで』
「どうかしたのかよ」
『絶対に泣かすなよ』
「陽平?」
プーップーッ
そのまま電話は切れていた。
陽平の様子が変な気がしたのは
気のせいか。
でもこれが気のせいでは
なかったと気づくのは
もっと後のことだった。
ー光弘 side endー
あっという間に2週間が経ち、
いよいよ今日から文化祭。
「あ、美華!」
「あ!叶愛」
「美華たちのクラスの出し物
何やってんの?」
「私たちはカフェやってるよ!
後で来てよ。彼氏さんと」
「そーなんだ!後でいくよ」
「そーだ、叶愛の彼氏ってどんな人?
すごくみてみたいんだけど」
「あ、ごめん。今あたし達のクラス
お化け屋敷やっててさ。
ちょうどお化け役やってるの」
「あ、そーなの?残念」
「美華の彼氏はどんな人?」
美華みたいな綺麗な人の
彼氏ってなると
やっぱりイケメンなのかな。
「あー、ごめん。
彼、今日から留学なの。」
「え、留学?」
「そう。急に留学決めてね。」
そういえば陽平の彼女も
夏休み短期留学してたなぁ。
やっぱり特進は多いのかな。
「特進って留学する人多いんだね」
「え?そんなことないと思うけど」
「あ、そーなの?友達の彼女も
夏休み短期留学してたって聞いたから」
「おかしいなぁ。きっと夏休み
短期留学してたの私だけだと思う」
…えっ?
「もしかして彼氏の名前って」
「彼氏の名前は木津陽平。」
…陽平?嘘でしょ?
