「何やってんの2人とも」

「叶、お久しぶり」

なんだか修二くんが

前よりもかっこよくみえた。

「修二くんなんかかっこよくなったね」

「なにそれ、俺ぶさいくだった?」

「そーじゃなくて、

なんか前よりキラキラしてる」

「そりゃー、まぁね?」

すました顔で知夏を見る。

すごく微笑ましかった。

「叶愛おはよ」

「昨日ぶりだね、光弘」

ほとんど毎日一緒にいたから

何も久しぶりには感じなかった。

こーやって隣に光弘がいてくれることが

こんなにも幸せってことに

あたしは今まで全然気づいてなかった。

「どーした?何ニヤニヤしてんの」

「幸せだなーって思っただけ」

「ハハハ、なんだそれ。」

光弘の笑った顔。それをみて

あたしはまた幸せになる。




キーンコーンカーンコーン

「あ、光弘ごめん。今日実行委員が

あるから先に帰ってて」

「あー、そっか。わかった。

また明日な」

夏休み明けてから文化祭が

終わるまで実行委員は大忙し。

あたしは急いで委員会の教室へ

向かった。


ドンッ

「うわ、びっくりした。

ごめんなさい、急いでて」

「…叶?」

「あ、陽平。」

走っていたせいで角を曲がる時に

思いっきり陽平にぶつかってしまった。

「あのさ…」

「あ、ごめん。今急いでて話してる

時間ないの。また今度ね」

夏休み前までのあたしなら

絶対今立ち止まってしまっていた。

陽平が話そうとしてるのをとめて、

走って委員会に行くなんて

絶対できなかった。

きっと光弘のおかげで

気持ちに終止符をうてたんだ。