「散らかってるけどあがって。

すぐ用意するから。」

あたしはできる限り急いで

用意した。

「ごめん、お待たせ」

「あ、全然。これ、叶愛?」

リビングに飾ってある写真たてを

みて光弘くんがニコニコしていた。

「そう。こっちがさっきの弟。

似てるでしょ。あたしが5歳で

航太が3歳くらいかな」

「俺、ゆっくりでいいから叶愛のこと

ちゃんと知っていきたい。」

「えっ?」

「昨日はごめん。」

「そんな、謝らないで。

違うの、あたし呆れられたと

思ってて。」

「あきれる?俺が?」

「昨日も結局陽平に頼っちゃって

いつまでも陽平に頼ってるのかよ

って思われちゃったかなって」

「そんなこと思ってないよ」

光弘くんのこんな優しい顔

久しぶりに見た気がした。

「あたしももっと光弘くんのこと

知っていきたいって思う。」

「それって…」

「あたし自身まだまだだけど、

これからよろしくお願いします」

少し照れくさくて

ゆっくり光弘くんの顔を見た。

「俺が幸せにしてあげる。

一緒にいよう」

満面の笑み。

優しい声。

この笑顔なら

信じられると思っていた。