…このままここにいても
光弘くんがくるとは
限らないよね。
きっと陽平のことで
揺れてしまった罰が
あたったんだ…。
下を向いたら涙があふれてきた。
「…何泣いてんの」
「…えっ」
息を切らした陽平が目の前に
立っていた。
「なんで携帯もってこないの」
「…忘れちゃって」
「はい。」
陽平から携帯を手渡された。
「…どうして」
「足どうなったかと思って
携帯に電話したら弟がでて
携帯は忘れていったうえに
まだ帰ってきてないっていうから。」
「…ごめん」
「お前の家に行って携帯と
クロックスもらってきたから
とりあえず足出して」
陽平が下駄からクロックスに
履き替えさせてくれた。
「足首、軽くはれてるし、
傷も悪化してる。
歩きすぎなんだよ」
「…うん」
「帰るぞ」
「あ、でも。友達が」
「そんなに足痛いのに
まだ歩く気?友達と合流できたとして
帰りどうする気だよ。
約20分も歩いて帰れるのかよ」
「…それは」
「好きにすればいい」
確かに陽平の言うとおり。
ここの神社を出たら
少ししたところから
光弘くんも修二くんも知夏も
バラバラで1人で
歩いて帰れるのかな。
「…帰る」
「後ろ乗れ」
陽平の背中に乗って神社を出た。
陽平の背中で光弘くんに
LINEをしておいた。
申し訳ない気持ちでいっぱいだったけど
今はこれがベストな選択な気がした。
