き み だ け





「あ、ださかった?

こんな話。」

「え?そんなことない。

ありがとう、話してくれて」

「元気出してほしかっただけだし」

「少し元気でた。

ありがとう。じゃあもうここで」

「おぅ、じゃあまた」

土曜日は陽平に似ているように

みえたのに今日は普通に

橘くんにしか見えなかった。



―光弘side-

プルルルルー…

『もしもし』

「送ってきた」

『どうだった?』

「まだお前のこと好きだけど

切り替えるって」

『わりぃな、助かる』

「これで本当にいいのかよ」

『叶の幸せはお前に任せた』

「わかった。じゃあな陽平」

俺は最低な奴だ。

でも、きっとこれが正しい選択なんだ。

ごめん、小島さん。

もう少ししたら全部話すから。

それまで待ってて。

ブーブーブー

“陽平”

“言い忘れたけどテスト最終日

叶はきっと水族館に行くはずだから

水族館に行ってくれ”

こんなことしていいのかなんて

思ってしまうけど

“りょーかい”

ごめんね、小島さん。

―光弘side end-