き み だ け



「陽平もでるんだね」

「あぁ。」

「こういうの苦手じゃなかった?」

「苦手だよとっても」

「じゃあなんで」

「叶と同じ理由じゃないかな」

そういってあたしの肩を

ぽんっとたたいてその場をさった。


次の日掲示された陽平の

アピールポイントには

“大切な人を守れる自信はあります”

だった。なんのアピールにも

なってないと思いながら

1人くすっと笑ってしまった。

「叶愛」

「光弘」

あたしは光弘に呼ばれて

そのまま学校の中庭のベンチに

座って話した。

「俺、夏休みの間ちゃんと

考えたんだ。あんなこと言ってしまって

本当に悪いと思ってたし、

隠すつもりも何もなかったんだけど

心配させたくなかったし

それに美華子に告白されて

気が動転してたのも事実だったし。

でもちゃんと冷静になって考えて

やっと答えが出たんだ。」

光弘が言う言葉が想像できてしまった。

きっとその答えは間違ってる、光弘。