き み だ け




しばらくして泣き止んでから

陽平がいない間に起きたこととか

今日のこととか全部話して

スッキリした。

「じゃあ、祭いくか」

「え?でもこんな顔だし」

「ほらこっち向いて」

涙で落ちた化粧を軽くこすって

くれて目立たなくしてくれた。

「んー、まぁこんなもんだろ。

パンダみたいだけど」

そういいながらクスクス笑う

陽平につられてあたしも笑った。

「こんだけ待ってもこなくて

なにもせずに帰るのももったいねーし

好きなもん好きなだけ食べよーぜ」

時差ボケでしんどいくせに

元気に振舞ってくれる陽平は

やっぱりあたしの大好きな

あの頃と変わらない陽平だった。

「あのね、陽平。謝らなくちゃ」

ボストンへ行く前に

誤解して陽平を傷つけたこと、

ちゃんと謝らなくちゃ。

「俺は叶が好き。それは何も

変わってないんだからもういいじゃん」

そう言ってあたしの手を掴んで

ひっぱっていってくれる陽平の

背中が大きく見えた。

「あ、叶愛」

「知夏と修二くん」

「え、なんで陽平くんが!?

顔色悪いよ?」

「一昨日帰ってきたんだ。

1ヶ月くらい早く帰ってこれてさ。

時差ボケで少ししんどいだけだよ」

「光は?」

「…こなかったよ」