「大好き」って伝えたくて〜My last massage〜

案の定、中庭のベンチに人の姿は無かった。


私はゆっくりとベンチに腰を掛けた。


今こうしてる間にも、私の腫瘍は大きくなっていく。


彼氏に嘘をついて、親友に嘘を付いて、親より先に天国に行かなきゃならない。


私って何のために生まれてきたんだろ。


神様。
あなたは私に何を望んでいたのですか。

私はただ周りの人を悲しませる事しか出来ませんでした。

私の人生に1つの意味を与えるとしたら、それは、なんですか?


知らない間に、涙が頬を伝っていた。


余命宣告されてから、初めて、泣いた。


今まで、自分が不幸だと思った事なんて一回もなかった。


優しい彼氏がいて、可愛い親友がいて、大切な家族がいて。


でも、今、自分の事を"かわいそう"だと思った。