「愛里…愛里!」

いつもの優しい声を聞き我に返った私。

「もー、なにぼーっとしてんのっ!」


そう言ってぷーっとほっぺをふくらます亜友莉ちゃんはほんとにかわいい。


「あっ、ごめん。きのうお母さんと喧嘩しちゃって…そのこと考えてた!ごめんね、」

嘘。私がぼーっとする理由なんて、ひとつしかないよ。


君のことを考えてた。
廊下から聞こえる君の声。
私の大好きなその声。