All Alone With you~あなたとふたりで~

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「あれ?稚菜は?」



「ダンススタジオで
ずっと歌ってる。」




ヤス兄と佳恵のやりとりにすら
気づかないくらいあたしは
必死で歌っていた。




「やっぱり稚菜には
朔の影響力が効いたか。」



「ヤスさん稚菜のところ
行ってきます。」




『♪~♪♪~~。』



全然ダメだ…
あたしじゃ朔に敵わない。



「やっぱり稚菜は努力家だな。」




あたしがその声に
振り向くと朔がいた。




『朔……くん?』




「朔でいいよ。俺も稚菜って呼ぶし。」




朔はフッと笑うと
あたしに近づいて来た。



『朔のが上手いよ…。
あたしなんか全然だもん。』




「そうか?稚菜は顔も年より
ずっと若く見えるし
スタミナも声量も音響もある。」




朔はあたしの頬に触れた。




『朔?』




「尚且つ稚菜は努力家だし
アイドルの素質がある。」




なんだろ?
朔に言われると嬉しい。