「正人さん、あのね。」

脱衣場に向かう背中に急いで声をかける。


「あのね。明後日、友だちと遊ぶの。」

正人さんは、振り向いて、そう、と言った。

「あのね。泉水っていう、大学生の男の子で、チャーリーの散歩中に公園で知り合って、友だちになったの。」

正人さんは、今度はへぇ、と言って、少し目を丸くした。

「新しい友だちか、いいね。」

「うん。今度、正人さんにも紹介する。」

「そうだね。」

正人さんは、もう一度目尻にしわを寄せて微笑むと、脱衣場に入っていく。

それを見届けてから、私はチャーリーを抱き抱えると自分の部屋に入った。