泉水に追い付いたのは、駅から少し離れた空き地だった。
すぐそばにはさっきまで乗ってた電車の線路があり、細く真っ直ぐな木が所々に立っている。
泉水は広場の真ん中に立つと、振り返って笑う。
「恵玲奈、ほっぺたが真っ赤。」
「う、るさ、い、な。」
肩で息をしながら、泉水に近づくと、後ろに隠していた雪の固まりを、泉水に向かって投げた。
雪の固まりは、泉水の頭にあたって砕ける。
「いって。」
雪だらけになった泉水を見て、私は吹き出した。
あー、すっきりした。
「恵玲奈、手も真っ赤。」
頭を振って雪を落としながら、泉水はそう言って私の手を握る。
「つめた。手袋、持ってきてないの?」
私は首を振る。
「マフラーもしてないし、恵玲奈、雪をなめてるだろ。」
泉水は眉にしわを寄せながら、私の両手を、自分の両手でくるむように握った。
泉水の長い指に、すっぽりと包まれた私の両手。
泉水の手は温かい。
だんだん、私の手も温かくなってくる。
「泉水ってあったかいね。」
「何枚、着てると思ってんの?」
泉水は得意気に言う。
「恵玲奈は手袋もマフラーもしなくていいな。寒かったら、俺が暖めてやればいいし。」
すぐそばにはさっきまで乗ってた電車の線路があり、細く真っ直ぐな木が所々に立っている。
泉水は広場の真ん中に立つと、振り返って笑う。
「恵玲奈、ほっぺたが真っ赤。」
「う、るさ、い、な。」
肩で息をしながら、泉水に近づくと、後ろに隠していた雪の固まりを、泉水に向かって投げた。
雪の固まりは、泉水の頭にあたって砕ける。
「いって。」
雪だらけになった泉水を見て、私は吹き出した。
あー、すっきりした。
「恵玲奈、手も真っ赤。」
頭を振って雪を落としながら、泉水はそう言って私の手を握る。
「つめた。手袋、持ってきてないの?」
私は首を振る。
「マフラーもしてないし、恵玲奈、雪をなめてるだろ。」
泉水は眉にしわを寄せながら、私の両手を、自分の両手でくるむように握った。
泉水の長い指に、すっぽりと包まれた私の両手。
泉水の手は温かい。
だんだん、私の手も温かくなってくる。
「泉水ってあったかいね。」
「何枚、着てると思ってんの?」
泉水は得意気に言う。
「恵玲奈は手袋もマフラーもしなくていいな。寒かったら、俺が暖めてやればいいし。」


