秘密の歌声

「豊永くん…」

「いぇい」
そう言って手を出してきた。
「…いぇいっ」
ちょっと照れながらもハイタッチを交わした。

たくさん感謝の言葉とか、言いたかったのに、その時はもう忘れていた。

ただ、ハイタッチして、目を見てわらいあえただけで、もう伝わった気がしたから。