秘密の歌声

自然に両手を重ねて祈る。

がんばれ、がんばれ豊永くん。

ゴールまであと少し。
並んでる。

バン!!

ほぼ同時でゴールのテープを切った。

その瞬間皆が固まる。

すべての団が走り終わったころに放送がはいった。

『え〜、只今のレースですが、1位は』









『赤団です。ビデオ判定の結果…』

“赤団です”という声が聞こえた瞬間。
私は飛び上がった。

豊永くんが…1位をとってくれたんだ。

赤団のテントに戻ると、豊永くんは皆に囲まれていた。

「豊永まじすごいな!」
「ありがとう、そんなことないけど」

そんな話をしているところを見ていると、私の方にきた豊永くん。