嘘つきと嘘つき。

「は、何それ………」

泰雅のことをちょっと睨んでみる。


「おー、こわいこわい」


泰雅はわざとらしく体をまもるようなポーズをした。
棒読みだっての。


「全っ然、怖そうに見えませんけどー?」


私は腕を組んで背伸びをして、いかにも偉そうに言ってみた。
つま先に重心がかかってプルプルと震えてしまう。


「お前はー……」


泰雅が私の頭をおさえた。



「っわ!」


泰雅の手に力がこもり、その衝撃で背伸びじゃなくなっていた。



「この身長でいーのっ!」


なんだよ、もう。
チビでいろって言うのかよ。


ま、別にいーけど。


「お、やけに素直ですなぁ
 これはもしや俺に恋………」


私は泰雅の背中を思いっきり叩いた。


「ってーな、冗談だっつの
 じょーうーだーんー」


そんなこと、知ってるに決まってんでしょ。
あんたに恋するわけないし。



そんなこと、あるわけないし。