彩に話さないといけない事。それは、
弟の事。
年が少し離れているせいか、
会えばケンカで…。あまり一緒に居る時間も無いまま奴は留学してしまった。
連絡は、ほとんどがメール。近況は
Twitterで知る位。

結婚したら会う事もある訳だし連絡してみるか。

電話すると「はい、あ〜。何?兄貴?」
「ハヤテ、俺結婚する。式には出席してくれ」「そうか。おめでとう。でも
俺は行かない。」
「いいから帰って来い‼︎」「うるせ〜」
俺はめげずに何度も電話した。
しばらくしてお袋から連絡。
「ハヤテが帰ってくるって!久しぶりに家族団らんね。嬉しい!」「彩ちゃん連れて来てね。」俺の気も知らず…。

彩をマンションに呼び、弟の事を話す
「そうなんだ。兄弟でもいろいろだね」
「勇くんの弟さんならきっと本当は、優しい人だよ。」彩…。お前が優しいんだ

俺達は、実家に向った。
「彩ちゃん。いらっしゃい。入って」
相変わらず可愛いお義母さん
リビングには、茶髪の綺麗な男の子。
サラサラの髪、少し伏せた横顔。
勇くんに似てかっこいい…。
「何見惚れてる‼︎…」
いやいや、違います…。
「初めまして、彩です。」「あ〜。」
「ちゃんと挨拶しなさい!ハヤテ!」
とお義母さん。
飲み物が並び席に着く。
「ハヤテ、元気にしてたのか?」
「関係ねぇだろ‼︎」「なに〜‼︎」
「結婚だか何だかしらねぇけど、勝手にしろ!別に関係ねぇし」
私は、勇くんに対する態度にイライラ
MAX‼︎ カチンときた!
「ハヤテ‼︎ …。いい加減にしなさいよ!
勇くんが歩み寄ろうと頑張ってるのに
その態度‼︎ 子供時みてて!馬鹿見たい‼︎
あんたなんて私の方からは弟お断りよ‼︎
あまりの剣幕に皆さん「…。」「…。」
あはは‼︎ 突然お義父の笑い声。
「ハヤテ‼︎お前の負けだ。素直になれ‼︎」
それから私は、恥ずかしさのあまり
下を向いてしまう。
「ハヤテ、俺は、こんな彩だから
惚れたんだ。普段は甘ったれな彩、でも
間違った事をしたり、言ったりすると
それを正してくれる。」
沈黙の後…。
「悪かった。兄貴、幸せにしてやらないとなぁ、また、怒鳴られぞ‼︎」
さらに、真っ赤になり顔を隠した。