商店街を抜け、学校がみえる、緑の生い茂る道、しばらく住宅街を走ると、
「あっそこ右、」車を駐車場に停めて
見えてきた、洋風の大きな家。
門を開けてドアに手を…。
ダダッと走る音。バンっとドアが開き
「あら〜彩〜!待ってたの〜!」
ガシッ抱きしめるお母さん?
若い…。彩を少し大人っぽくした感じ。
「あっ初めまして!彩の母で〜す。」
「パパ〜来て!早く〜!」
「今、いくよ‼︎」
「さぁ、二人とも入って」


広いリビングに大きなソファー。
ご対面〜。
「君が、彩の…。う〜ん」
「夏川勇人です。彩さんとは、仕事で
知り合いお付き合いさせて頂いております。」「勇人さんと言ったかなぁ?君は彩の上司らしいね。大丈夫なのか?
部下に、その…手を出すというのは、如何なものかと思う。」「君の女性関係だってどうかなぁ?彩が泣くような事、
大丈夫かね?」

お父さんの意地悪に我慢できずに、
「勇くんは立派な人なんだよ!みんなに
信頼されて、私、大事にしてもらってるのに!」「意地悪するなら、パパの事
嫌いになるから‼︎」プンプンでパパをにらんだ。
「彩ちゃん〜!そんな〜嫌いって言わないで!ねぇ!彩ちゃん?」
頭をかきながら、義父さんが、威厳を保とうと小芝居した事を義母さんにバラされて苦笑いする。
しばらくすると、「ただいま〜。」
「あら?建?帰り遅いって言わなかった?」「彩が帰るって聞いて仕事切り上げてきたんだ。」俺と目が合った。
「お前か!彩を俺の彩を!」
「あの…。彩さんが、お兄さんの大事な妹というのはよくわかっています。
私は、彩さんが、いてくれるだけで、安心するし、仕事も頑張れるんです。私が
これから彩さんを大切する事幸せにするのではなくて、二人で幸せになる様に努力していきます。」
「彩さんを私にください。お願いします」「彩を泣かせたら俺は、全力でおまえから取り戻すし、許さないからな!」
お兄ちゃんは、勇くんと似ている気がした。俺様気質な所なんか…。

建お兄ちゃんは、勇くんに私がどんなに愛されているか、懇々と説明。
「諦めろ‼︎」「嫌です‼︎」「彩は、やらない‼︎」「だったら、奪います‼︎」
散々言い合い。勇くんの粘り勝ち‼︎

お兄ちゃんは、渋々、許してくれた。
嬉しくて、お兄ちゃんに 抱きついた。
頭なでなでして「幸せになれよ。」って
涙で顔がぐしゃぐしゃになった。