「送ってきました。勇くん?」

「なぁ!あの男誰だ?将のパパじゃないよな?」

「あ〜。弟さんですって。都合が悪くなって、代わりに来てくださって。」

「彩…。むやみに、笑顔見せんな!
隙があるんだよ。お前は!!」

「そんな事…。」
スタスタっと二階へ行ってしまった。

「彩…。クソ!」
俺は、何も言わずに外出した。

「勇くん。酷いよ。記念日だって仕事。
今だって…。1人で怒って…。あなたが
わからないよ。」

卓は、合宿、あやめは、幼稚園のお泊まり会。今夜は、ひとりぼっち。
勇くんも、遅くなるんだろ。

スマホを握りしめた。

タッチ画面から、由美の番号に発信。

「彩?久しぶりだね。うん。幹太も
今日は、おばあちゃん家。
わかった。後でね。」
由美も結婚して一児の母に。
幹太くんはあやめより2つ上の5歳。
由美に似てとてもしっかりした男の子。

「さあ。ラビットカフェ行こう!」