イケない隣人

「・・・・ん。ゴメンね・・」


シュンッ・・・と私の小さな体がもっと小さくなった。
そうだよね・・・しっかりしなきゃ。


「〜もう!嘉穂可愛すぎ!」

綾はそう言って私に抱き着いて来た。


「へ・・・?あっ・・・ありがとう?」


なんて言っていいか分からなかったから取りあえずお礼。


綾の方が可愛いよ・・・。


私なんて可愛いのカケラも無いんだし・・・。



「なんかね〜嘉穂って母性本能くすぐるんだよね。小柄で可愛い〜の」


綾は私の頭を優しく撫でる。

そっ・・そこまで言われると照れる・・・。


学校でも一位二位を争う程可愛い綾にそう言われると・・・。


「だから!嘉穂はもっと自信持っていいんだよ?」


「・・・うん!」


自分に・・・・自信を持つかぁ・・・。


「か〜ほ!」


後ろから元気な声が私の耳に入って来た。


「勇気〜」


後ろを振り向くと、その声の正体は勇気だった。

勇気は元々私より背が小さくてその割に可愛いから・・・。



「何話してんの?」


「うーん・・嘉穂が可愛いって言う事!」


「えっ?やっ・・・違うよ!」


私の1番の男友達。
そして、このメンバーが1番の癒し。

「嘉穂は可愛いもんな〜」


勇気はそう言うと私の頭を撫でた。



ドキッ・・・


その仕草に思わず胸が高鳴った。


じっ冗談だよね?うん。友達だから気軽に言えるんだよ!

何、私少し赤くなってんの!


「それにしても・・・俊クンはモテるね・・・」


綾が呆れた顔で廊下を見る。

私と勇気も綾に続いて廊下に目を向けた。


「そ、だね・・・・」


本当はすぐに目を逸らそうと思ったけど・・・中々逸らせない。


「俊は・・・容姿がいいからな」


勇気も続いて口を開く。

私と勇気と綾と俊は結構中が良くて、特に俊と勇気が大の親友。


「・・・・ほっほら!もう先生来たよ!席着こ!」


綾がとっさに話題を変えるように焦った声で呼び掛けた。


「うん・・・」


私はそっと席に着いた。