「む、祝いなのだからいいではないか」 「何の祝いなんです?」 「鏡花が仕事に就くことになったと言うのじゃ」 「まぁ! それはおめでとうございます。 ですが鬼囮爺様、無理に勧めるのはよくありませんよ」 「むむむ……」 形勢不利と見て鬼囮爺は押し黙った。 「来年は一緒に飲みましょうね」 「うん、わかった」 霞と鬼囮爺に来年は絶対にお酒を飲むという約束をして、今回は言葉だけで祝って貰った。 その後、霞と鬼囮爺はそれぞれにやることがあるらしく、それに合わせて鏡花も家に帰った。