「おい、小林ぃ~」
(え、うち?)
「こないだはよくもヤってくれたなぁ」
(えぇ、誰この人。え、え。誰ぇぇ)
「今日こそはぶっ潰してやる」
(…殺されるぅ~)
「聞いてんのか、ごラァ」
(どんどん近付いてくるよぉ…どうしよう)
「てめぇ、返事しろやぁ!」
走ってくるいかにも危ない二人組。
(終わった…)
目をつぶり覚悟した。

スッ……

………………………(あれ?)
目をあけると二人組は梅を通り越し先程
のイケメンに殴りかかろうとしていた。
(危ない!…)
「あ、あぁぁ、ああ、危ないですよ!
な、何してるんですか?ここ、え、駅の
ホームです。公共の場で、そそ、そんな事
しないで下さい。め、迷惑なんです!」

沈黙……………………
「あ?なんだお前」
(やべぇ)
「俺らとやろうってか?」
「そ、そんな事言ってないじゃないですか」
「じゃ、なんなんだよ?」
(あ、いける(確信))
「話通じてます?、頭大丈夫?ここは公共
の場なんです。駅のホームです。
喧嘩をするならそこら辺の野原でやれって
言ってんるんです。大体にして、1人相手に
2人でかかると何それ?チキンですか?
ホワイトチキンですか?一対一で喧嘩する
のが普通じゃないですか?」
「……………。」
「それじゃぁ、私急いでいるんで」
駆け足で向こうのホームに向う梅。
その背中を見つめながら二人組が
「なんだアイツ」
「………」
「気に入った。アイツに目つける」
「え、ぼコスんすか?」
「んなわけねぇだろ!女としてだよ」
「あー…なるほど。」
「………小林!今日は見逃してやるよ」
「じゃぁな」