家から一歩外に出れば全ての景色が
変わった……様な気がした。
いつもと何ら変わりのない風景。
犬の散歩をする飯村さん。
朝からゴミ捨て場で立ち話する中野さんと
石黒さん。ランニングする…
「裕太ー!おはよう!」
振り向き目を細め誰か確認する裕太
手を大きく振りニコニコ気味の悪い笑みを
浮かべる梅だと気付くと
「おはよ!」
「おはよう!」
「お前今日入学式?」
「そだよー!裕太は?」
「俺?俺は明後日」
「へー…なんか、別々の学校って少しだけ
寂しいねw」
「そだなー…俺らずっと同じだったもんな」
「本当だよねw」
「ま、これもいい経験じゃね?」
「だねwじゃ、うち急がないと遅刻するわ」
「おう!気ぃつけてな!」
「はーいよ」
梅に手を振り見送る裕太を背に結構全速力
で走りながらふと思う梅
(裕太カッコ良くなったな…)ニヤッ
(っは…あかん。今ニヤけた。何ニヤけ
ちゃってんのよぉぉぉ)
頭を振りながら走る梅を見つめて裕太が
つぶやいた
「アイツ…頭逝ってんじゃね」