知らなかった、そんな噂が出回ってるだなんて。
今回のお祭りも本当に
先輩とは約束してなかったし、
元々先輩と付き合ってないし。
どうせ先輩のことなんだから
とっくにキレイな女の先輩を誘っているんだろうし…。
「そういう葉月ちゃんは誰かと約束したの?」
「え?私??
そりゃあ、ねぇ〜?」
なんだろう、この笑みは…
怪しい……
「もしかして、彼氏、できたの…?!」
「えへへっ。いや、彼氏とかじゃないんだけど、
お祭り誘われちゃってさ!」
「え?誰に!?」
私が耳を近づけると
葉月ちゃんが耳元で小さく名前を教えてくれる
「関 裕太くんなんだけど…」
聞いたことない名前。
「隣のクラスの人?葉月ちゃん知り合いだったの?」
「ううん、それがさ。
この前1人で帰ってたら電車の中で痴漢にあったの。そしたらいきなり、たまたま隣にいた関くんが助けてくれて、成り行きでそれから話すようになったんだけど…」
さっきまで勢いよく話していた葉月ちゃんが
突然照れくさそうに話し出した

