「なぁ、ここ聴いて。」
「え?」
突然そう言われて耳をたてた。
聴いて、と言われた
ところの歌詞にはこんな風に
リズムに合わせてあった。
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君を思って
いくつかの夜を越えた
君を思った日をただ
指折数えて
好きなんて言葉じゃ
きっと伝えきれない
たとえ君の視線の先に
僕がいなくても
僕は君を想い続けるよーー…
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「ここ、俺の好きな歌詞。」
「…いい歌詞ですね。」
まるで私の今の気持ちを表してるみたい。
先輩も
こんな気持ちで過ごす日々があったのかな…
私はずっと先輩を見つめるけど
曲に聞き入っているのか
先輩とは目が合わない。

