「…………。」
無言で靴を履き変えて校門に向かう。
「なにムスっとしてんの。
音楽でも聞く?」
「…え?」
「ほれ、昨日ちょっと気にしてただろ。
だからイヤホンに変えてきた。」
「あ、ありがとうございます…」
先輩が見せた優しさに
少し胸が熱くなる
ばれてたんだ。
先輩はひょいっとイヤホンの片方を私に投げると内側の耳に
イヤホンをかけた。
「もうちょっとこっちよれよ、イヤホン外れるだろ。」
「は、はい…っ」
肩を引き寄せられて
先輩の肩がたまにあたって
それだけでドキドキする…。
そんな中
耳元で音楽が流れ出した。

