また、好きになんてならない。


「好きじゃないくせによくそんなの言えますね」

また、憎たらしい口を先輩にたたく。

今日も素直になれない。

本当は、少し嬉しかったのに。

「…好きっていうのが分かんないんだよ。
だから、俺の言う好きってなんか頼りないだろ。」

先輩はそう言った後
少し遠くをみるような悲しげな顔をした。

その表情を見ればキリッと胸が痛む。