「 ♪ 〜」
私の気も知らず
そんな中で先輩は呑気に鼻歌を歌いだす。
耳にはヘッドホンがいつのまにか
つけてあって
1人の空間に入り込んでいた。
…それなら別に私となんかワザワザ帰らなくてもいいじゃないですか……
ムスッとしながらも
耳をたてる。
先輩が、好きなうた。
どんな歌なんだろうーーー…
あんな先輩でも
今時の甘酸っぱい曲とか聞いていたりするのかな。
それとも、ラップ系?
意外に‘‘好き”って言葉がいっぱい入ってるポップな可愛い曲だったりして…
「フフッ………」
だったらギャップがあって可愛いな。
なんて思っていたら笑いがフッとこみ上げてきた。
「…なに1人で笑ってんの。」
「ウフフ…なんでもないですよぉ」
正直にいったら
またほっぺつねられそうだから
黙っておこう。
「んだよ。
っていうか今柚葉笑ったな?」
「へっ?」
「ずっとプンプンしてばっかで俺の前で笑ったことなかったじゃん、中学の時も。」
「そうでしたっけ…」
「うん。それってさ、」
「!……っ」
「……俺に、ちょっと心開いたってことだよね。」
先輩の手が私の頬に触れる。
でも前みたいに全然怖くない
優しい顔。

