また、好きになんてならない。



「っ〜〜〜〜〜〜!」

口にいれれば
中にふわっとモモの味が広がる。

ふにゃんとした舌触り。

…これはグミ?

「美味しいでしょ、それ俺のお気に入り。」

「甘い…だけです」

ウソ。

ワザと少し憎たらしいことを言った。

美味しいって言うと
先輩のこと許したことになるのと
同じような気がしたから。

本当は
甘いモモ味の中に少し酸味があって
このグミに病みつきになっている。

「かわいくねーの。
じゃ、後1つだけど、もういい?」

「べ、別にいいですよ…。」

「顔はすごいほしそうな表情してるけど。」

「うっ………」

先輩に私の精一杯の誤魔化しさえ見透かされる。

「なら、一緒に食べようか?」

「へ、一緒にってどうやってですか…?」

私が首をかしげると
先輩は耳元に顔を近づけた。

「俺の舌使ってお前の口の中でこのグミ転がすの、…いい?」

耳元に感じる先輩の少し低い声が私の肩をビクりとさせる。

それを見て先輩はクスッと笑った。

自分の行動にカァっと顔が熱くなる。

こんなことしたら、先輩の思うがままだ……っ

それにきっと先輩は私が断るのをわかってるから
そんなこと言って私をからかってる。

だから少し先輩を試したくなった。

「…食べます。」

先輩はどんな表情をするんだろう。

そんな単純な考えで
先輩の瞳を見つめる。


…でも先輩は
私が思ってた以上に手強い人だった。